診療情報の統合的な表示機能

診療情報の統合的な表示機能

最終更新:1997.7.3

  1. 意義
  2. 目的
    1. 病院情報システムに入力された情報、および検査部門システムなどの部門システムなどから取得された情報を統合的に表示することによって、1患者に対する診療行為とその結果についての経過を把握する作業を支援する。

    2. 上記の情報をFDなどのメディアに出力することによって、研究的な用途に役立てる。

  3. 機能の概要
    1. 1つのウィンドウの中に、以下の項目についての経過をわかりやすく統合的にグラフ表示する。
      • 外来受診歴
      • 入院歴
      • 検体検査結果
      • 薬歴(処方および注射)
      • その他、システムに記録されている情報(服薬指導実施、CT検査など)

    2. 1患者に関する以下の履歴情報を任意のファイルに対して標準的なテキスト形式で出力する機能をもつ。
      • 外来受診歴
      • 入院歴
      • 検体検査結果
      • 薬歴(処方および注射)
      • その他、システムに記録されている情報

    3. ファイル出力する場合には、必要なセキュリティレベルを確保するための権限が設定でき、かつシステムに履歴として残される。

  4. 稼働開始時期
  5. 評価項目
    1. 日付をx軸としたグラフ形式で、外来受診歴、入院歴、検体検査結果、薬歴を1つのウィンドウ内に統合的に表示できること。
    2. グラフのx軸である日付は、実時間に比例したスケールで表示されること。
    3. グラフに表示される日付の範囲は、現在の日付が右端となるようにデフォルトで表示されること。
    4. グラフに表示される日付の期間は、患者ごとのデフォルト値が設定されない限りは、院内の取り決めによって設定できること。
    5. グラフに表示される日付の範囲は、任意の範囲を再設定できること。
    6. システムがアクティブ保持している全期間の情報を対象としてグラフ表示できること。

    7. 外来受診歴を櫛状グラフで表示できること。
    8. 外来受診歴のグラフ表示にあたっては、自科受診と他科受診が色を変えて表示されることが望ましい。

    9. 入院歴を帯状グラフで表示できること。
    10. 入院歴のグラフ表示にあたっては、自科入院と他科入院が色を変えて表示されることが望ましい。

    11. 検体検査結果を折れ線グラフで表示できること。
    12. 1つのグラフに同時に最大4項目の検体検査結果を表示できること。
    13. 4項目の検体検査結果は画面上では色を変えて表示すること。
    14. 表示する検体検査結果の組み合わせを登録できることが望ましい。
    15. 検体検査結果グラフのy軸の範囲は以下の形式で設定できることが望ましい。
      • 検査項目ごとに規定した範囲
      • 値の最大値と最小値をもとにした自動設定
      • 任意の範囲指定
    16. 検体検査結果グラフのy軸のスケールとしては、実数表示のほか対数表示も指定できること。
    17. 白血球分画はヒストグラム形式で表示されたうえ、全体のグラフに組み込まれること。

    18. 薬歴を帯状グラフで表示できること。
    19. 1つのグラフに同時に最大4種類の薬剤についての薬歴を表示できること。
    20. 薬剤の量に応じて帯状グラフの幅を変えて表示できることが望ましい。
    21. 表示する薬剤の組み合わせを登録できることが望ましい。

    22. 以下のパラメータについては、患者ごとのデフィルト値を設定できること。
      • グラフ表示する日付の期間
      • 検体検査結果として表示する検査項目の組み合わせ
      • 検査項目ごとのy軸の設定範囲
      • 薬歴として表示する薬剤の組み合わせ

    23. 画面に表示されたグラフは、ハードコピーとして印刷できること。
    24. カラープリンタを利用すれば、カラー情報として印刷されること。
    25. モノクロで印刷する場合には、画面上で色を変えて表示されたものが判別できるように線や塗りのパターンを変えるなどの工夫がなされること。

    26. グラフとして画面表示される全ての情報を、指定したファイルに出力できること。
    27. 出力するファイル名を指定する場合には、システムが使用するファイルを誤って消すことのないようにチェック機能をもつこと。
    28. ファイル出力の形式は標準的なテキストファイルとし、タブあるいはコンマなどのデリミタによって項目が区別されること。
    29. デリミタとして用いるキャラクタはファイル出力の際に選択できることが望ましい。
    30. ファイル出力にあたっては、ユーザ認証による権限を設定できること。
    31. ファイル出力にあたっては、サブネットによる権限を設定できること。
    32. ファイル出力の履歴をシステムに残し、院内で解析できるようにファイルフォーマットおよび履歴情報へのアクセス方法を示すこと。