病院情報システムの開発における医療情報部の役割と、それを可能にするためにオーダエントリシステムの開発ベンダに求められる要件を以下に示す。
- イントラネットシステム
サーバ側の技術が公開されていてクライアント側には標準的なアプリケーションが使えるイントラネットと、病院業務に特化された高度な統合システムであるオーダエントリシステムの両者は、車の両輪のごとくに相補って機能することが望ましい。イントラネットサーバについては、引き続き医療情報部で開発・管理をおこない、イントラネットサーバ独自で実現する機能についてはベンダ側の責任範囲外とする。但し、オーダエントリシステムとの機能連携が必要な部分についてはベンダは医療情報部に対して必要な助言指導をおこなう体制にあることが重要である。
- ベンダとの共同開発システム
ベンダから提供されるシステムによって、病院側が要求するソフトウェア機能要件の全ては満足されない場合には、医療情報部はその能力の範囲においてベンダとの共同開発のための工数を提供する準備がある。具体的には、紹介患者連絡票情報登録システムおよび病診連携ベッド管理システムを想定している。
- 院内での新規開発システム
オーダエントリシステムが導入された後も、医療情報部は従来どおり院内からの業務依頼に基づく種々のシステムの新規開発あるいは機能変更をおこなうことを業務の一部とみなす。医療情報部で開発できると判断される場合には院内開発をおこなうが、今後はオーダエントリシステムと情報連携あるいは機能連携が重要となることが必至であり、オーダエントリシステムベンダは必要な情報をオープンにするとともに、医療情報部に対して技術的な助言指導をおこなう体制にあることが重要である。